なぜ、呼吸が大事なのか?
ピラティスでも重要視している呼吸に関して、、、
なぜ呼吸が大事なのか、うまく呼吸ができていない事で生じる体の不調について説明していきます。
人間は生まれた時から、死ぬまでずっと呼吸をしています。人は水を飲まなくても2〜3分は生きていけます。食べ物を数日食べなくても死にはしません。しかし、呼吸は10分も絶たれると死んでしまいます。
そして、人は1日呼吸を2万回程度しています。つまり、呼吸の仕方が偏っていると体に支障をきたしやすくなります。
例えば、呼吸をする時に過剰に肩をすくめるような呼吸がパターン化されていると、1日2万回肩をすくめる運動をしていることになります。そのような呼吸パターンを繰り返せば、当然肩が凝ってしまうでしょう。
さらに、そういう人がデスクワークでつねに座りっぱなしでパソコンを使うような仕事をしていれば、なおさら首や肩が重くなり、辛くなってくることが予想できます。
他にも、息を吸うときに腰を反ってしまうような人は1日2万回腰を反る運動をしていることになります。そうなれば、当然背中の筋肉は硬くなり、背骨の柔軟性も低下し、腰痛の原因になることも考えられます。
呼吸にかかせない横隔膜!!
横隔膜は呼吸時に活動する筋肉です。この横隔膜が収縮し、下方に引き下がることで肺に空気が入り込み、弛緩することで肺に入った空気を外にだします。
つまり、体に必要な酸素をうまく取り込むにはこの横隔膜が収縮したり、弛緩したりする機能がしっかりと遂行される必要があるというわけです。
息を吸いすぎている(横隔膜が収縮している)ことが慢性化すると、この横隔膜が緊張し短くなります。つまり「呼吸が浅い」状態です。
そして、呼吸は自律神経とも関係しており息を吸うときに交感神経が優位に、息を吐くときに副交感神経が優位になります。
つまり、日常でストレスを強く感じる人や緊張する環境に置かれる機会が多い人は精神的に緊張してしまい、呼吸が浅くなり、さらに交感神経優位になり不眠や集中力の低下、疲れやすい、イライラしやすいといった状態になりやすいと考えられます。
特に現代人は息を吸いすぎている人が多いと言われています。なので、しっかりと息を吐けることが重要です。
呼吸のポイント
⑴息を吸ったときに肋骨が広がっていること
⑵息を吐いたときに肋骨が下方に引き下がって、しぼむように動く
※肋骨がしっかり動いていることが重要です、なぜかというと横隔膜は肋骨に付着しているから
呼吸と内臓の関係
肩こりや腰痛以外にも呼吸は内臓へも影響を及ぼします。先ほど述べた自律神経(交感神経、副交感神経)の不調は便秘や生理不順などの内臓の不調を引き起こしたりします。
横隔膜には3つの穴があります。
この穴には食道、大動脈、大静脈が通ります。横隔膜が緊張したまま(呼吸が浅い)だと食道をぎゅっとしめつけるような状態が持続しているということです。これは、食道やそれに続く胃へも影響を及ぼします。
さらに、横隔膜の下にある肝臓、腎臓、膵臓、小腸、大腸、子宮などお腹の中に収まっている臓器が圧迫されたり、本来ある内臓の位置からずれたりすることで、内臓の機能が低下してしまったりする可能性があります。
例えば、横隔膜の緊張により、腸などに圧迫がかかれば、蠕動運動などが阻害され食べた物の消化や吸収がうまく行えなくなり、便が滞り、便秘になったりします。
ピラティスと呼吸 〜呼吸は命そのもの〜
ピラティスの創始者であるピラティスさんはとても呼吸を重要視しており、「呼吸は人生最初の行動であり、最後の行動でもある。私たちの命そのものが呼吸にかかっている。」と述べています。
つまり、生まれてから死ぬまで行う呼吸は自分の命を左右するぐらい大切ということと考えています。
これまで、記載したように肩こりや腰痛、さらには内臓の不調など呼吸の乱れにより様々な体の不調が生じてきます。
ピラティスではそういった不調も含めて体の内側から健康にしていくことを目指しています。
エクササイズのなかでは常に呼吸を大切にし、意識して行なっていきます!!