肩こりの現状
ある調査によれば、女性が抱える体の悩みとして上位にランクインするのが肩こりと言われています。特に若い女性では1位という報告もあり、男性でも2位にランクインするほど国民が抱える体の悩みとして肩こりがあります。
一般的には後頭下部から後頸部、肩甲骨の周辺、肩関節周辺の筋肉の緊張を中心とする不快感や違和感、鈍痛などの症状とされています。
肩こりの原因
肩こりの原因には様々なものがあります。
・不良姿勢
・ストレス
・運動不足による筋力低下
・不適切な運動
・寒冷
・加齢
・過労
などがあげられます。
特に現代ではスマホやパソコンなどの使用頻度が多くなり、頭を前に出し、画面を見続けることで、姿勢不良に繋がったり、目の疲労からくる肩こりもあります。眼球を動かす筋肉を包んでいる筋膜は首の筋肉に繋がっていたりするので、姿勢不良と合わせてダブルで肩こりの原因になったりします。
さらに、スマホやパソコンなどを長時間使用することで、交感神経の働きが優位となり、血管が収縮し首や肩周りの筋肉の血流低下を引き起こすこともあります。
そして、特に女性ではストレスをたくさん抱え込んだり、緊張した環境に長時間いたりすると、無意識に歯を食いしばったりすることで、同時に首や肩周りの筋肉の緊張も高まってしまいます。つまり、精神的な部分が原因の時もあるということです。
どの部分にも共通することとして、筋肉の緊張があります。
筋肉の持続的な緊張
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筋肉の疲労
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筋肉内の血管を圧迫
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血流量の低下
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酸素や栄養が行き渡らなくなる
滞った血流のなかに老廃物や痛みの物質が蓄積することで、痛みとして認識されたり、交感神経が優位に働き、さらに血管が収縮するなどの悪循環に陥ってしまいます。
肩こりになりづらい体とは?
では、肩こりになりづらい体や改善させるためにはどのようにしたらいいのか?
耳たぶー肩ー大転子(太ももの骨の上部にある出っ張った部分)ー膝ーくるぶしが揃っている姿勢が理想的な姿勢であり、余計な力を使わずに保っていられる姿勢です。
不良姿勢はざっくりと以下に分けられます。
このような左側3つの姿勢になったりすると肩こりに繋がったりします。
そして、これが根本となるとても重要なこですが、なぜそもそも首や肩周りの筋肉が硬くなり、コリにつながってしまうのか?スマホやパソコンを長く使う人でも肩こりになる人とならない人がいます。これは、肩・首というのは骨盤や下部体幹といった土台の上に位置しています。
つまり、この土台となる骨盤や体幹部の機能が低下している人は肩こりを引き起こしやすいということです。このような背景がある人が、長時間スマホやパソコンを使用することで肩こりを感じてしまう可能性があります。特に女性は男性よりも筋肉が弱い傾向にあるため、女性の体に関する悩みとして上位にランクインしている要因とも考えられます。
したがって
・背骨運動の柔軟性や安定性
・骨盤運動の柔軟性や安定性
・肩甲骨運動の柔軟性や安定性
これらの部分の動きが硬かったり、周りの筋肉が正しく働いていないと土台が不安定となり、その代わり、首や肩周りの筋肉が代償的に過活動となり、肩こりに繋がったりします。
そのため、背骨や肩甲骨、骨盤の動きをうまくコントロールできるようになることで、肩こりを予防できたり、軽減できたりします。
ピラティスで肩こり改善!?
先ほど挙げた
・背骨(脊柱)
・骨盤
・肩甲骨
をコントロールできるようにすることが可能なのがピラティスです。ピラティスでは脊柱を滑らかに動かしながら、肩甲骨の安定性を強化するエクササイズや骨盤と脊柱を連動させた運動など柔軟性や安定性を強化できる運動が含まれています。
それだけではなく、ピラティスは呼吸運動を重要視しており、呼吸を意識することで、自律神経(交感神経と副交感神経)のバランスを整えることもでき、持続的な筋肉の緊張状態から解放させる働きもあります。
1つ紹介として、このスワンダイブ(修正)というピラティスの種目ですが、これは、肩甲骨の安定性を強化し、脊柱を安定させながら動きを出していく運動です。
このような運動をすることで肩こりの改善や予防ができる可能性があります。